治療を任せて安心なのは大学病院か市中の歯科医院か
「最新の技術のものが使われる半面、評価が定まったものが使われない可能性もあるのです。大学病院でのインプラント治療は治療に時間がかかることも、患者さんにはデメリットでしょう。そもそも日本のインプラント治療は市中の歯科医院から始まっていて、大学病院は研究が中心になっている場合もありました」
それ以上に問題なのは、大学病院のインプラント治療では、「相談」「治療計画」「治療」「治療後のケア」という一連の流れを一人の歯科医師が担当するのが難しいことだ。
「患者さんに施した治療の責任は、術前からの状態と経過をすべて把握している担当した歯科医師が最後まで責任を持つのが当然です。その意識があるからこそ、歯科医師は必死になって患者さんの条件に合った材質のインプラント体などを選び、安全・安心な治療法を心がけるのです。技術や設備も大切ですが、そうした患者さんを思いやる気持ちこそが最大の安心の源だと思います。その点、インプラント治療については、市中の歯科医院の方が術者を選ぶことのできない大学病院よりも上回っているのではないでしょうか」
大学病院は複雑な治療が必要な、特殊なインプラント治療をすべきところで、一般的なインプラント治療は市中の歯科医院で十分と考えてよさそうだ。