著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

米国で初認可 がん治療に新時代を開く遺伝子療法の中身

公開日: 更新日:

 アメリカのFDA(食品医薬品局)が初の遺伝子治療を認可し、大きな話題になっています。

 キムリア(Kymriah)はスイスの大手製薬会社「ノバルティス」が開発したもので、化学療法やX線療法が効かない重度の小児白血病に対し、特効薬になる可能性があると注目されています。

 治療法は、まず患者の免疫細胞を取り出し、特定のがん細胞を認識する遺伝子を導入後、再び体内に戻す。患者の免疫力を高め、がん細胞への攻撃力を高めるというものです。

 今後1カ月以内に、アメリカの約20の病院でキムリアによる治療が始まるとされており、若い白血病患者やその家族に、大きな希望をもたらしています。

 一方、問題になっているのはその治療費の高さです。キムリアによる1回の治療費は実に47万5000ドル(約5200万円)。1カ月の化学療法の治療費3万ドル(約330万円)の10倍以上に当たる値段に驚きと批判の声が上がっています。

 ノバルティスは金額設定の理由として、同じように最も効果の高いがん治療とされる脊髄移植の価格88万ドルよりも低く設定したとコメント。しかし強くなった自己免疫が内臓を攻撃するなどの強い副作用が想定され、さらなる治療が必要となる可能性を考えると、患者の負担が重過ぎると指摘する関係者は少なくありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造