一生に一度 悪性リンパ腫の新治療法“ジョーカー”って何?

公開日: 更新日:

 俳優の松方弘樹さんや高倉健さんらの命を奪ったことでも知られる悪性リンパ腫。血液がんのひとつで、白血球の中のリンパ球ががん化したものだ。進行すると全身のリンパ系組織が腫れるため、気道や血管などが圧迫され、窒息やまひなどが起こる。年間の新規患者数1万6000人以上といわれるこのがんに、“ジョーカー”と呼ばれる治療法がある。「RI標識抗体療法」だ。どんな治療法なのか? JCHO東京新宿メディカルセンター(新宿区・飯田橋)血液内科の大坂学部長に聞いた。

■全身がんが消失した70代男性も

「リンパ球にはB細胞、T細胞、NK細胞などの種類がありますが、がん化したB細胞リンパ球の表面にはCD20と呼ばれる抗原が存在します。これにくっつく抗CD20抗体(リツキシマブと呼ばれる分子標的薬と同じ)にβ線を放つ放射性薬剤を結合させた薬剤(ゼヴァリン)を静脈に点滴投与。体の内側からがん細胞を破壊する治療法です」

 その効果は抜群で、首や脇の下、足の付け根などリンパ節の多いところに2センチ大の腫瘍が現れ苦しんでいた70代の男性は、点滴から2カ月後のPET検査で腫瘍の消失が確認されたという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」