VIP相手でも起こりうる大病院の誤診 患者の勝訴は至難の業

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■ヤメ検や弁護士資格の医師が法務担当

 法務省によると、患者や遺族が病院や医師を訴える件数は800件前後ある(別表)。昨年の医事関係訴訟は789件。約半分の403件は和解しているが、判決までいたったのも269件あった。そのうち、原告勝訴は17・6%しかなく、年々減少している。

 2年前に大垣市民病院の医療事故を巡って大垣市が遺族と1500万円で和解した例はあったが、これは医師の連絡ミスで胃がんを放置していたヒューマンエラーがはっきりしていたケース。がんの見逃しや執刀ミスなどの立証は難しく、患者勝訴は至難の業だ。

 もちろん、病院側も訴訟リスクに備えて万全の態勢を整えている。ある有名病院は訴訟対策としてヤメ検を引き抜いているし、弁護士資格を持った医師が法務担当の責任者を務めている病院もある。

「さらに、病院や医師個人で賠償保険に加入しています」(米山院長)

 賠償保険は、開業医向けの「日本医師会医師賠償責任保険」や医療機関向けの「日本病院会病院賠償責任保険」などがあり、医師個人で加入できる保険もある。

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