12月は事故で救急搬送も増 年末大掃除が意外な病気を招く
洗剤が思わぬ事故を招く場合もある。浴室のカビ取りに塩素系洗剤を使用。その後、水などで流さずに酸性洗剤で掃除して発生した塩素ガスを吸い込み、具合が悪くなる例が報告されている。
ほかに注意したいのは洗剤などの化学物質が目に入る化学眼外傷。失明に至ることもある。清澤眼科医院(東京・南砂)の清澤源弘院長が言う。
「傷を受けた直後は眼球表面の組織に炎症が起こり、角膜の表面が完全にはがれたり、角膜全体がすりガラスのように濁ってしまうことがあります。化学物質がアルカリ性だった場合は角膜に浸透して眼の内部にまで障害を及ぼすことも。重症の場合、眼球とまぶたが癒着したり、後に白内障や緑内障などを引き起こす可能性があります」
最近は水道水などを電気分解することで得られる物質を使った掃除用品が人気だが、pH11以上の強アルカリ製品の扱いは注意しなければならない。
大掃除では少なくともホコリがつきにくい服装と帽子、ゴム手袋、マスク、ゴーグルで身を固め、温水を使うよう心がける必要がある。