12月は事故で救急搬送も増 年末大掃除が意外な病気を招く
■ゴム手袋、ゴーグル、マスクが必要
普段、力仕事をしない人が掃除をするとそのいきみから血圧が上がり、心臓や脳に負担がかかる。とくに冷たい水を扱う場合は注意が必要だ。
「冷水は血圧を急上昇させます。4度の水に片手を1分間つけるだけで血圧が50㎜Hg上がるとの報告もある。それが原因で脳の動脈瘤が破裂することもあります。実際、冬に外で洗車していて、くも膜下出血になった40代の患者さんもいました」
大掃除で舞い上がった大量のホコリやカビを吸い込んで病気になるケースもある。「北品川藤クリニック」(東京・北品川)の石原藤樹院長が言う。
「よく診るのは過敏性肺炎です。本来は毒ではないホコリやカビ、化学物質などを繰り返し吸入することで生体反応が敏感になり、肺にアレルギーを起こす病気です。発熱と乾いた咳が主な症状で、ステロイド薬などで治療すれば数週間で完治します。しかし、初期症状が風邪やインフルエンザと似ているため、適切でない治療により慢性化することがあります」
そうなると息切れや疲労感が出て治りづらくなり、呼吸不全が進行する。