胃の5分の4を摘出 アントニオ古賀さんはがんが心の転機に
それも含めて入院は20日間。手術の翌日から歩かされたことはつらかったですが、それ以外は問題なく、病院食もおいしくいただきました。というか、ちゃんと食べて早く退院しないと本当においしいものにありつけないじゃないですか(笑い)。
■「ケセラセラ」は相変わらず
物事は悪く考えるとそれに引っ張られるもの。私は、病気はストレスが引き起こすと思ってますから「よく食べ、よく寝て、よく笑い、よく歌う」を実践してきました。
また、子供の頃から健康な上に、少しでも具合が悪いとすぐ病院に行くタイプでした。プロになってからはなおさら「忙しいからあとで」じゃなく、すぐ受診。周りで入院した人がいると「自分が悪いんだろう。放っておくからだ」と思っていたくらいです。自分はストレスもためないし、ケアも怠っていないから、病気になんかならないと信じていたんです。
でも、自分ががんになって初めて痛みを知り、励まされ、そして「悲しかったら泣けばよかったんだ」と気づきました。親から「男は泣くもんじゃない」と教育されてきた年代です。「何でもウエルカム。ポジティブに生きよう」と思い過ぎた結果、苦しい時も誰にも頼ることなく、相談もせず、泣く代わりに笑ってきました。「苦労は栄養になる」とか言って平気な顔をしてきたことが、自分でも気づかないうちにストレスになっていたのかもしれません。