完治まで1年かかることも…中高年は足首捻挫を甘く見ない
一方、数は少ないものの、足を外向きにひねって足首を捻挫するのが「外がえし」だ。過去の捻挫で足首の関節がゆるくなっている、足の筋肉が弱くなっている、足の神経に損傷がある、ゴルフ用シューズなどスパイクのついた靴を履いている場合などに起こりやすい。
「捻挫の重症度は、どの靱帯が損傷を受けて、どれだけ伸びたか、あるいは断裂したかによって決まります。一般的に内がえしより外がえしの方が重症度が高くなりがちです」
軽度の捻挫は靱帯が伸びて裂けているとはいえ、傷が小さすぎて確認できない。足首に腫れや痛みはなく、数時間から数日以内で回復する。中等度以上の捻挫は靱帯が部分的に断裂し、足首の腫れや内出血が見られ、痛みで歩けない。
靱帯が完全に断裂し、足首全体に腫れと内出血によるあざが見られるのが重度の捻挫。この場合、足首が不安定で、体重をかけることができない。治療には6~8週間かかり、足首が完全に治らない状態で日常生活を再開すると、足首の治りが不十分になる。
「問題は骨折を伴う捻挫です。足首の靱帯が硬くなる中高年は捻挫がそのままくるぶしやすねなどの骨折となるケースが少なくありません。『内がえし』の場合は足首の外側が伸びて外くるぶしと足の距骨をつなぐ前距腓靱帯が緊張して、くるぶしを骨折する場合が多い。『外がえし』でもくるぶしの骨折は多いのですが、すねの骨の剥離骨折や、腓骨が足首または膝付近で骨折する場合もあります」