緩和医療の前に期待 がん眠らせ長期共存「休眠療法」とは

公開日: 更新日:

「“継続投与”“副作用をグレード2までにする”“個人差を考えた投与量”の3つが、がん休眠療法の基本方針。標準治療の抗がん剤治療は不可能とされた高齢者、ほかの疾患を持っている人、進行・再発の末期がんの人も受けられます。月単位の余命を宣告された膵臓がんの患者さんが、がん休眠療法で5年生存した例もあります」

 保険適用内の抗がん剤であれば、がん休眠療法であっても保険適用。

 都内で11年前からがん休眠療法を行う銀座並木通りクリニック・三好立院長は「ここが誤解を招きやすい点ですが、治す治療法ではない。引き分けを目指す治療法。治療の目的を引き分けとし、引き分け続ければ人生は継続できる」と言う。

 ただし、がん休眠療法を受けられる医療機関はごく限られている。「抗がん剤は、規定量を投与してがんを少しでも小さくする治療。量を減らすなんてもってのほか」という考えの医師が圧倒的多数で、患者が受けたいと思っても主治医の承諾や理解を得られないケースも多い。冒頭の親族も主治医とのやりとりに時間がかかっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動