<7>「環境」か「宿命」か 世界的学術雑誌が真っ向対立

公開日: 更新日:

「自然界では短命の生物は感染症などで死ぬため、がんで死ぬことはほとんどありません。がんは長生きする生物の病気でがんの罹患率は年齢が高くなればなるほど高くなる。それは人間も同じです」

 実際、2016年の日本人の年齢階級別がん死亡率(全部位、人口10万人対)で見ると20~25歳と85歳以上とでは3000倍近い差がある。

食事や住まいなどの生活スタイルはまったく違い、仕事も学歴も違う。それなのに集団で見ると、見事に40歳を超えるとがんが増えていく。高齢化ががんの最大のリスクであるのは間違いない。ただし、年齢だけががんの原因なら、40歳を超えるとがんの患者数や死亡者数は直線的に増加するはずです。ところが実際はカーブを描いている。つまり、がんの原因はベースが年齢であって、それ以外に複数の原因が重なりあって起きているのだと考えられます」

 では、なぜ、高齢になるとがんになるのか?

「ある時点で急にDNAを修復するシステムに異常が起きるわけではないし、がん遺伝子が急に暴れ出すわけでもありません。結局、細胞分裂時のDNAのコピーミスや細胞呼吸に細胞の酸化など、生きていく上で避けられないことによりDNAの塩基配列が変異するのでしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も