大好きな酒を諦めないために 僕が取ったのは“週1の報酬”
糖尿病というと、腹八分目くらいまでしか食べられず、脂っこい食品は極力避けて、アルコールも禁物というイメージが強い。
だが、365日、しゃくし定規にそれを守らなければ立ち行かないかというと、実はそうでもない。僕自身が身をもってそれを経験している。
糖尿病治療の過程で重視される数値のひとつに、ヘモグロビンA1cがある。過去1、2カ月間の血糖値の平均値ともいわれるものだが、発症発覚時点で、僕はそれが14を超えていた。健常者は6.2以下とされているので、かなり危機的な状況である。
当初、2型糖尿病患者として治療を始めた僕は、何よりも食事療法に熱心に取り組み、毎食自ら厳密にカロリー計算をして規定内の熱量に抑え、栄養バランスも考慮しながら理想的な食生活をキープすべく血道を上げた。
おかげでヘモグロビンA1cも、数カ月のうちに7.0前後まで劇的に降下し、主治医や管理栄養士に激賞された。
ただし、僕がそれほどまでに熱心に食事療法に励んだのには、理由がある。