落語家・柳家花緑さん 視聴者からの質問で発達障害を確信
ただ、ボクが恵まれていたのは身近に落語があったこと。9歳から始めた落語のおかげで“勉強はできないけど面白い”と認められ、クラスの中で自分の居場所があった。さらにいえば、家庭環境に恵まれていました。この病気に遺伝性があるかどうかは分かりませんが、実は、祖父で師匠の柳家小さんも子供の頃は話が止まらず、学校では問題児だったようです。でも、面白い話をするので人気があったと聞いています。その血を引いた母親も実は話し出すと止まらない人。だからなのか、勉強ができないことをそれほど重視していなかった。これがもし勉強至上主義の親だったら、ボクの居場所はどこにもなかったと思います。
ボクは病気が分かって救われました。大人になってからも劣等感を抱えていましたから、「脳の障害なんだ」と寄りかかれるものができて初めて楽になれたのです。でも、身内は障害を認めたがらない。だから身内に相談できない同志がボクのフェイスブックをよりどころにしてくれています。
見た目は普通なので、できないとサボっているとか、ふざけていると思われがちな病気です。だからボクのような者は、「そうじゃない、こういう病気もあるんだ」と発信する義務があると思っています。