落語家・柳家花緑さん 視聴者からの質問で発達障害を確信
空気を読む努力や本を読む努力はずっと続けています。普通の人の何倍も脳を使わないとそれができないので疲れやすく、睡眠は8時間を心掛けています。おかげさまで読み書きできる漢字はだいぶ増えました。ただ、台本の漢字にはすべてルビを振ります。さっきまで読めていても「ラスト1回」といったプレッシャーで、急に読めなくなるからです。
昨年末のサイン会では、こんなことがありました。色紙にその日やった演目の「芝浜」を書き足してほしいと急に言われて、分かるはずの文字が出てこなくて……。「浜」から先に書いたら、下に「松」と書いてしまって、我ながらビックリしました。「ちょっとプレッシャーがかかると芝浜が浜松になるんだな」と、最近は自らを冷静に分析しています(笑い)。 =聞き手・松永詠美子
▽やなぎや・かろく 1971年、東京都生まれ。中学卒業後、祖父・5代目柳家小さんに入門。2年半で二つ目に昇進し、22歳の時、戦後最年少で真打ちに。10月26日(金)、27日(土)、イイノホール(東京)で独演会「花緑ごのみvol.36」を開催。新作「鶴の池」(バレエ「白鳥の湖」の落語仕立て)を披露する。著書「花緑の幸せ入門『笑う門には福来たる』のか?」(竹書房新書)が発売中。