脊柱菅狭窄症<1>手術するなら日本一がいいに決まってる
それでも当時週刊誌で連載していた「トイレ探検隊がゆく!」の取材で、1週間ほど「四国トイレお遍路」を敢行した。車を併用するとはいえ「遍路ころがし」と呼ばれる難所では、「いててて、いててて」と10歩歩いては休み、10歩歩いては座り込みながら移動する始末。これが次第に日常になってきた。家人からは、「寝たきり老人だけにはならないでね」とクギを刺された。そのころ読んだ週刊誌に、脊柱管狭窄症を内視鏡を使って手術する特集記事が出ていた。
早速インターネットで検索すると、千葉県香取市の「国保小見川総合病院」に内視鏡手術、正確には<経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術=PELD)での手術件数日本1位の3000例以上>の実績を持つ清水純人先生がいることを知った。
どのみち手術をするなら、日本一がいいに決まっている。「小見川? どこだ」。千葉県成田市の先と知ったとき、この激痛を抱えて横浜から行けるのだろうか? と不安に。だが、「どんなに遠くてもこの苦痛から解放されるのなら、どこでも行くわい」と意を決した。
▽おまたいっぺい 1952年生まれ。武蔵野大学客員教授、元NHK社会部記者。「新聞・テレビは信頼を取り戻せるか」などの著書がある。