長い会議の低血糖から救ったのは持参していたゼリー飲料
しかし、だからといって「じゃあ私が」とだれかが手を挙げてくれるほど、世の中は甘くない。
同席していた管理会社の担当が、話を早く先に進めたいばかりに、「議事進行などは私が代行しますから」と説得にかかり始め、結局、僕は理事長の任を拝領せざるを得なくなってしまった。
しかも悪いことは重なるもので、僕の任期中にたまたま、敷地内で電力会社が工事ミスによる火災を起こした。幸い住民に人的被害は出なかったものの、管理組合は事後処理に追われた。
電力会社の担当者も同席する緊急理事会が何度も招集され、話が紛糾して長丁場になることもあった。ある時、まさにそのさなかに、意識が急激に散漫になっていくことに気づいた。
放置していたら倒れてしまう。僕は仕方なく、万が一のために持参していたゼリー飲料を、その場で口に含んで急場をしのいだ。
事情を知らない電力会社の人の目には、さぞ異様な行動に見えたことだろう。