新薬2種類が承認間近…大きく変わる慢性便秘の治療最前線

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 便秘の一般的な治療は、生活習慣の改善と薬物治療だ。薬は、依存性がある刺激性下剤は使わず(頓服的に使用する時を除く)、安全性が高いものを日常的に使う。

 ガイドラインが出た昨年は、便秘の薬といえば、酸化マグネシウムなど腸に水分を集め便を軟らかくする非刺激性下剤。酸化マグネシウムは1823年に日本にもたらされた古い薬で、臨床結果などの科学的根拠(エビデンス)はなく、用量を間違えると不整脈などのリスクがあった。

 エビデンスがある薬も承認されていたが、わずか2種類で、そのうち1種類は過敏性腸症候群の便秘に対してだった。しかし今年、慢性便秘症の適応追加承認が下り、過敏性腸症候群に限らず使えるようになった。それを含む3種類の薬が今年承認され、さらに近々、2種類の薬が承認される見通しだ。

「この2種類の薬のうち、ポリエチレングリコールは米国では便秘の7~8割に第1選択として使われ、小児の便秘にも使える非常に安全性の高い薬です。エビデンスに基づいた薬が6種類そろうことで、今後はより的確な便秘治療が行われるようになります」

 対策が早ければ、自然な排便を取り戻せる。今こそ「たかが便秘」の考えを改めるべきだ。

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