心筋梗塞や脳梗塞も 肉好きの「便秘」に潜む重大リスク
猛暑を乗り切るには精がつく肉料理が一番。ご飯やパンと違って太らないのもうれしい。今夜もお酒片手に赤身のステーキだ――。そんな肉食生活を続けている人は便秘に気をつけた方がいいかもしれない。単にお腹が張って苦しいだけではない。脳梗塞や心筋梗塞に代表される動脈硬化のリスクを上昇させる可能性がある。サラリーマンの病気に詳しい、弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。
便秘とは「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」(日本内科学会)を言う。その便秘が「脳梗塞」「心筋梗塞」等の発症リスクを高めることが知られている。
実際、7万2014人の日本人を対象とした研究でも便秘でない人より便秘の人の方が心血管イベントのリスクが高いことが報告されている。閉経後の米国女性7万人の研究でも便秘がひどいほど心血管イベントが高いことがわかっている。
■TMAO濃度が高いほど動脈硬化性疾患リスクが上昇
夏は汗で血液内の水分が抜けるなどして「血栓症」になりやすい。とくに気温が32度を超えると脳梗塞による死亡率が跳ね上がる。それだけに「便秘」には注意が必要だが、なぜ、肉好きの便秘は危ないのか?