「断酒」か「減酒」かを選択 変わるアルコール依存症治療

公開日: 更新日:

■飲んで死ぬか、やめて生きるか…ではなくなった

 この「レグテクト」に続き、今年3月に発売された新薬「セリンクロ」は、飲酒欲求を抑制しつつ飲酒量を低減する「減酒薬」。選択的オピオイド受容体調節薬と呼ばれるもので、μオピオイド受容体とκオピオイド受容体に主に作用し、シグナル伝達を調節。「レグテクト」と同様に、服用時に飲酒しても抗酒剤のように苦しまない。

「レグテクトやセリンクロによって、『減酒』という選択肢ができました。『飲んで死ぬか、やめて生きるか』の二者択一ではなく、患者さんに最初に『断酒』と『減酒』を選んでもらう。治療の過程で減酒では難しそうであれば、治療方針を断酒に切り替える。まずは治療につながることを重視する。当院では今そのようにアルコール依存症の対応を行っていますし、ほかにもそういった医療機関が出てきていると聞いています」

 断酒率にこだわれば、治療の動機づけが低い人を排除し、断酒意欲の高い人のみを治療対象とする方がいい。しかし、それでは“動機づけの高い患者”しか治療を継続できない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…