■手術前に握力や歩く速度が低下すると危険
がんと宣告され落ち込むのは仕方がないが、手術前には筋力を鍛えた方がいい。がん手術前に筋肉量が減り、筋力や運動量が低下すると手術後の合併症や死亡率に悪影響を与えることがわかっている。
「胃を切除した胃がん患者293人を対象とした研究では、握力が保たれている患者群の術後合併症の発症率が11・2%に対して、握力低下群は23・5%と2倍も多かった。すい臓や胆道がん患者81人を対象に、手術前に6分間の歩行テストを行い、その距離を調べたところ、400メートル以上の患者はそれ未満の患者より術後合併症が少なかったことが報告されています」