体温計の“ピピピ”が分からず…ヘッドホン難聴を疑うときは
4000ヘルツがどんな音かというと、日常生活では体温計のブザーのような高くて小さな電子音が典型でしょう。周りの会話は聞こえているのに、体温計の計測終了の合図が分からない。そんなことがあれば、ヘッドホン難聴がひたひたと進行している証拠。なおかつ、健康診断で高音に異常が見られたら、要注意です。
放置していると、会話の中心の1000ヘルツまで聴力が低下。それで「あれ、おかしいな」と思っても、そこまで症状が進むと、治りません。そこが、ヘッドホン難聴の怖さです。
加齢による老人性難聴も、聴力の低下は8000ヘルツから。一般に突然の聴力低下や、耳鳴り、めまいなどがないと、耳鼻科でもより精密な検査を行うことはまずありません。しかし、1000ヘルツと4000ヘルツの聞こえる音の強さに20~30デシベルの開きがあるときは、念のため精密検査を受けるのが無難です。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)