海外旅行で感染 A型とB型の肝炎はワクチンで予防する
夏休みに海外旅行を計画している方は、少なくないでしょう。各種統計を見ると、この時季の海外旅行者数は毎年、250万人以上。そういう人は楽しみが尽きないでしょうが、注意したいこともあります。それが感染症対策です。
海外には、日本にはないような感染症が蔓延している国や地域が珍しくありません。中でもアジアやアフリカ、南米など広いエリアで感染リスクが高いのが、肝炎ウイルスです。
以前は、ウイルスに汚染された血液の輸血や汚染された注射器の使い回しなどが感染ルートで、院内感染もよくニュースになりましたが、最近は性行為を介して感染する若い人が増えているのです。A型からE型まで5つある肝炎ウイルスのうち、A型とB型が性交渉で感染しやすく、海外の感染症として要注意。A型は汚染された食品で口から感染することもあります。
感染すると、急性肝炎と慢性肝炎の2つの発症パターンがあり、A型はほとんど急性で、B型はどちらの可能性も。
A型の急性肝炎は、2~7週間の潜伏期間を経て、突然発熱。全身のだるさや吐き気、嘔吐などが見られ、数日後に黄疸が表れます。自然に治ることも多いのですが、高度な肝機能障害を起こす劇症肝炎に進行すると、生存率は30%ほどと、極めて危険性が高い。