著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

思春期の子供は診察料を惜しんで性病をいくつもためこむ

公開日: 更新日:

 今ではインターネットで何でも簡単に調べられるので、子供でも自分の性器の症状で性感染症だと見当がつきます。どこに行けばコッソリ、匿名で受診できるかも調べられるでしょう。

 しかし、20年前(1990年代後半)となると、今とは少し様子が違います。当時、ルーズソックスをはいた制服姿の女子高生で、診療所の待合室がいっぱいになったことがありました。当然、順番待ちをしている大人の患者さんたちはビックリです。高校生は性感染症にかかっても親には言えず、お金がないのでなかなか受診しません。それで困って最初は親友に相談するのでしょう。すると友達の間で200円、300円と治療費のカンパを募り、病気になった子の付き添いとして、みんなで診療所にやってくるのです。

 当時の女子高生の患者さんには特徴がありました。1つの性感染症だけで受診するとお金がもったいないので、病気を3つくらいためる傾向があったのです。女性はおりものが増える程度で症状が乏しい「クラミジア」や「淋病」では、まだ受診しません。性器周辺にイボができる「尖圭(せんけい)コンジローマ」を合併すると、見た目が悪くなるので受診するのです。お子さんが思春期になれば、誰でも性感染症のリスクがあります。家庭内で子供が性感染症の相談ができる親子関係を築いておくことが大切です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に