【セックス外傷】裏筋が突然裂けてコンドーム内が血まみれに
セックスで起こるトラブルは何も性病だけではありません。性感染症を専門とする医療機関では、さまざまな相談が持ち込まれるものです。特に出血を伴うようなデリケートゾーンの外傷は、大騒ぎになるのは当然でしょう。
男性の“包皮小帯断裂”は比較的起こりやすい外傷です。思い出すのは40代後半の男性Bさんのケースです。ソープランドで突然、ペニスの裏筋が裂けて出血し、コンドームの中が血だらけになりました。出血が止まらず、近くの病院の救急外来で形成外科医にとりあえず圧迫止血してもらい翌日、当院を受診されたのです。
Bさんが「裂けた」と言うペニスの裏筋というのは「包皮小帯」です。亀頭を包む皮膚(包皮)と、尿道口がペニスの裏側でつながっているヒダの部分です。私が診察したときの裂けた傷口は直径5ミリ大で出血は止まっており、赤っぽいビラン状になっていました。軽い亀頭包皮炎(亀頭部と包皮の間の炎症)もありました。
Bさんは以前から細菌などの感染で起こる亀頭包皮炎を繰り返している方でした。恐らく慢性的な粘膜の炎症が継続していたため、包皮小帯の弾力性が低下していたのでしょう。そこにセックス時のピストン運動という外的刺激が加わり突然、包皮小帯の断裂が生じたのでしょう。