【肛門】お尻のかゆみの原因は「拭き残し」か「拭き過ぎ」
「お風呂も毎日入り、肛門をきれいにしておくことが大切ですが、かゆみがあるときはせっけんなどを使うと、かえってただれてしまうことがあるので、お湯だけでさっと洗うのがいいでしょう。また、かゆみが強いときは香辛料の強い食事を取ると、かゆみが増すので避けましょう」
市販薬を塗るのなら「湿疹の薬」を使う。しかし、配合されている成分の種類によっては、逆に刺激となってかゆみが増す場合もある。2、3日塗っても良くならなければ受診した方がいい。
排便時に“痛い”と感じたら、肛門上皮や肛門の外側の入り口付近に傷ができたことが考えられる。
硬くて太い便を無理に出すことによって起こる、いわゆる「切れ痔(裂肛)」だ。この場合もお尻を拭くときは、こすらず押し拭きするようにする。
「基本的には便秘の解消が必要ですが、切れて痛いときは市販の痔の薬(座薬や注入軟膏)を使って様子を見てもらっていいでしょう。また裂肛ではなく、いきみ過ぎなどで肛門の外側に血栓(血豆)ができる『血栓性外痔核』でも痛みを伴うことがあります。この場合もとりあえず座薬や軟膏を使ってもらって、良くならなければ受診してください。大きな血栓は外来で処置をすると、すぐに楽になります」