ED薬が効かない男性は3割も…注射で治療という選択肢が
1セットで5000円
治療法はというと、その名称の通り、粉の薬剤と生理食塩水を混ぜて、わがムスコに注射をするという。想像するに痛そうだが……。
「注射に使用する針のゲージ(太さ)は、0・2ミリほどで髪の毛より細い。かつて私も、この注射針でインフルエンザワクチンを注射しましたが、全く痛くありません。痛みを感じるとすれば、薬液を注入する際の刺激痛です。一般的な報告でも、陰茎の疼痛は5%と、それほど多くはありません」
右利きなら左手でペニスを引っ張り、右手で注射器を持つ。ペニスの中央から根元あたりを斜め上から注射する。初めての外来で薬液の混ぜ方や注射の方法を教えてもらい、実際にやってみる。
「薬液が適正に注入されると、5~15分で勃起が起こり、30分~1時間ほど持続します。この治療で要注意なのが、6時間以上の持続勃起症。外来での練習で持続時間を確認して、適量投与と判断されたら、薬剤や注射器具をお渡しします。本人が難しい場合は、パートナーが注射しているケースもありますね」
何度も言うが、ICI療法の適応は、器質的EDで、心因性EDに用いると、持続勃起症のリスクが高い。その見極めのため、陰茎の血管造影検査でチェックすることもあるという。
「ICI療法は保険適用になっておらず、自費治療。当院は、診察代などが込みで、1セット5000円。検査や持続勃起症のフォローなどがしっかりした医療機関を受診することが大切です」
持続勃起症の処置が遅れると、海綿体が壊死して取り返しのつかないことになる。医療機関選びは重要だ。