わかめは生に近い食感を楽しみながら免疫力アップ
保存食材(3)塩蔵わかめ
わかめの旬は春から初夏にかけて、3~6月ごろといわれています。なので、市場に出回っている多くは塩蔵か乾燥処理をしたものです。乾燥は戻すのに時間がかかりますし、食感が軟らか過ぎる気がしますので、今回は塩蔵を使います。
塩蔵わかめは、旬の時期に収穫したわかめをすぐに湯通しし、塩漬け処理したものです。食感は生に近いですし、何より使いやすい。調理する際の下処理は時々、冷水を取り換えながら、5分ほど塩抜きするだけです。
わかめにはタンパク質の合成や細胞の発達などに不可欠なヨウ素をはじめ、体内の余分なナトリウムを排出するカリウム、骨の形成に欠かせないカルシウムやマグネシウム、さらにヌルヌル成分でもあるアルギン酸やフコイダンなどの食物繊維が豊富に含まれています。
アルギン酸はコレステロール値や血圧を下げる働きがあり、フコイダンには免疫力をアップする作用があるといわれています。
わかめは味噌汁や酢の物に使うケースが多いですけど、今回は炒め物とサラダにしました。
ごま油の香りを立たせたサラダは生わかめに近い食感を楽しんでいただきたいですし、ネギとの炒め物はご飯のおかずになるだけでなく、お酒のおつまみにもピッタリです。栄養豊富な食材をぜひ、ご家庭でもお試しください。
■ネギとの炒め物
《材料》
◎塩蔵わかめ 40グラムを塩抜きして筋を切り落とし、大きめの一口大に切る
◎ニンニク 大さじ1の千切り
◎ごま油 大さじ1
◎長ネギ 1本を縦半分に切り、芯を除き、長さ4センチの短冊切り
◎薄口醤油 大さじ1
◎白胡椒 少々
◎赤ピーマン 1個を縦半分に切り、ヘタ、芯、種を除き、わたをそぎ、千切り
《作り方》
フライパンにニンニクとごま油を合わせ、中火で香味の立つまで炒める。
わかめとネギを加え、強火でさっと炒めたら(写真)、薄口醤油を回しかけ、白胡椒をふり、さっと合わせる。
赤ピーマンを加えて火を切り、合わせる。
■きゅうりとのサラダ
塩蔵わかめ20グラムを塩抜きして、軸を除き、一口大に切る。ネギ2分の1本の芯を除き、幅5ミリ、長さ3センチの短冊に切る。
きゅうりは縦半分に切って種を除き、斜め薄切りに。
ショウガのみじん切り大さじ2分の1、醤油大さじ2分の1、米酢大さじ1、ごま油大さじ2、白胡椒少々でさっと和える。
▽松田美智子(まつだ・みちこ)女子美術大学非常勤講師、日本雑穀協会理事。ホルトハウス房子に師事。総菜からもてなし料理まで、和洋中のジャンルを超えて、幅広く提案する。自身でもテーブルウエア「自在道具」シリーズをプロデュース。著書に「季節の仕事 」「調味料の効能と料理法」など。