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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

手術延期続々 放射線治療を考えるがんの種類とタイミング

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 それぞれの事情によって異なるので一概にはいえませんが、大筋の考え方として、延期でも、手術が行われるなら、それぞれのスケジュールで手術を受けるべきだと思います。ただし、3カ月以上など大幅に遅れるなら、放射線治療の可能性を主治医に相談するといいでしょう。

 放射線治療あるいは化学放射線治療の可能性を確認すべきなのは、がんの種類でいうと、頭頚部がん、食道がん肺がん、子宮頚がん、前立腺がんなどです。

 女性に多い甲状腺がんと男性の前立腺がんは、穏やかなタイプがあり、そもそも手術を急ぐ必要がないことも珍しくありません。韓国では、手術不要な甲状腺がんを手術したことで、検査による甲状腺がんの掘り起こしが社会問題になったことがあります。前立腺がんで穏やかなタイプなら、治療せず血液検査でマーカーのPSAをフォローする待機療法があることが、手術を急がなくていいことを物語っているでしょう。

 でも、放射線治療はどうなのか。女優の岡江久美子さんが63歳の若さで新型コロナによる肺炎で亡くなったとき、放射線治療による免疫力の低下が取りざたされました。読者の中には、その関係を不安視される方がいるかもしれません。

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