新型コロナの感染効率に関わる変異が世界中で起きつつある

公開日: 更新日:

 しかし、上記の知見はすべて細胞を使った実験で、本当の生物を使った実験ではなく、病原性の変化についてはよくわからない。そして、単純にこれらの変異がどの程度、感染拡大、もしくは減少に関与しているのか、また、免疫応答やワクチンの効果にも影響を与えるのかもはっきりしない。ただ、このような変異の影響については、これまでのさまざまなウイルス学研究の知見から予測されていたことで、この新型コロナウイルスが特別に変わったウイルスであるわけではない。

 実際に新型コロナウイルスの変異する速度は現在も変わらず、他のコロナウイルスとほぼ同じである。現在も世界各地で感染が広がっているため、さまざまな変異ウイルスが生じると思うが、その変異の多くはウイルスの性質とは関連がないだろう。しかし、一部の例外の可能性はあるため、その変化を今後も調べ続けることは極めて重要である。

(東海大学医学部分子生命科学講師・中川草)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動