菊田あや子さん語る尿管結石 激痛に襲われるたび薬で抑え
菊田あや子さん(リポーター/60歳)=尿管狭窄による尿管結石、水腎症
尿管結石を発症したのは2004年でした。夜、友達と飲んだ後に映画館に行ったら、どうも右の腰の前のあたりが痛むの。「おかしいなあ」と思いつつ、「酔っぱらってるのかな」と思ってガマンして家に帰り、テレビでちょうどはやっていたドラマ「冬のソナタ」を見始めたんです。
でも、時間がたつにつれてどんどん痛くなって、後ろの腰のほうも痛くなってきて、もう動けないほど激痛に! 気持ち悪くもなってきて、脂汗は出るし……。「これはおかしい。でも救急車を呼ぶのはオーバーだな」と考え、夜中1時半ごろにタクシーを呼んで病院へ行きました。
病院に着いたとたん、ロビーで吐いてしまいました。お医者さんはすぐに「尿管結石」を疑ったみたい。でも、レントゲンを撮っても写らなくて……。「これじゃ入院させられない」と言われて困っていたら、急にピタッと痛みが消えたんです。ウソみたいに。石が流れたんでしょうね。
そういえば、2000年ごろ、エコー検査で「腎臓に少し砂がある。自然に流れたらいいね」って言われたことがあったんです。でも、気にしていなかったんですよね。
激痛が出た後、石があることがハッキリして、さらに近所のかかりつけ医には「右の腎臓が少し腫れている。水腎症だね」と言われ、様子を見ることに。それから約10年、“石持ち生活”をしていました(笑い)。
お腹いっぱい食べたときとかに、同じような激痛に襲われ、そのたびに痛み止めの飲み薬や座薬で抑えていました。北海道ロケから帰りの機内で激痛に見舞われ、羽田からタクシーを飛ばして帰宅。座薬を入れてベッドでうなっていると、座薬に睡眠成分が入っているようで、いつの間にか眠りに落ちて痛みが消えるんです。そうやって、何度も痛みをだましだまし……の年月でした。
■尿管狭窄は先天的なものとわかりホッと…
ところが5年前の2015年、痛む頻度が増えてきて、「これはもうちゃんと治療をしよう」ということになりました。最初は体外衝撃波結石破砕術を受けました。
ベッドにあおむけに寝て、結石に向けて下から……体の外から衝撃波を当てて、結石を粉砕して尿管から流れ出すようにする治療法なんですけど、これはそれほど痛くなかった。
ゴムをパチン、パチンと当てられる感じかな。でも、結局、石は出てきませんでした。
次に、尿道から内視鏡を入れて、結石を砕いて取り出す経尿道的結石砕石術を受けました。これはすっごく痛かった。でも、やっぱり石は出なくて……。その際、尿管が狭くなっていて、石が出ていかないことがわかったんです。
それで「開腹手術をするしかない」となり、右わき腹のあたりを縦に12センチぐらい切り開き、石と尿管の狭くなっている部分を切り取り、ステントを入れました。手術後しばらくしてからステントは取り出したんですけど、30センチ近くもあったんですよ。ビックリ!
■がんかもしれない…と不安で眠れなかった
全身麻酔での手術は初めてで、私にとっては大事件でした。でもそれよりショックだったのは、「尿管がんの可能性もあるから病理検査にかけます」と言われたことでした。健康には自信があって、自分ががんになるなんてまったく思っていなかったんです。もしもがんだったら……と考えると怖くて、手術の前日はあまりよく眠れませんでした。
手術後は切った傷痕が痛かった~! 腹筋って、ちょっと寝返りを打とうとしたときも、起き上がろうとしたときも力が入るから、そのたびに痛くて痛くて……。それでも、手術の翌日からリハビリのために歩くように、と促されたのでがんばりましたよ。
入院は2週間の予定でしたけど、日常生活が送れるぐらい動けるようになったので、10日目で退院させてもらいました。実は病院の食事が苦手で早く退院したかった(笑い)。私、グルメリポーターなので舌が肥えていて(笑い)、病院の食事が食べられなくて友人にデパ地下の差し入れをお願いしました。「お惣菜 まつおか」のお弁当や「千疋屋」のメロンサンドイッチに大喜び! 個室にして良かった点ですね。
退院から9日後、どうしてもそれ以上、延ばせないロケがあって、埼玉の所沢へ出掛けました。朝から夕方まで動き回って街をリポートするお仕事で、体を動かすとステントも体の中で動いて尿管を傷つけるんだか、痛いだけでなく、尿と一緒に血が出てきちゃって……。
だから、それ以外は1カ月ぐらいお仕事をお休みしていました。術後の傷の痛みは1カ月ぐらいで消え、その後は激痛に襲われることもなくなりスッキリです。手術して良かった! 手術痕もほとんどないんですよ。
「がんかも」と不安だった尿管狭窄の原因は先天的なものだとわかり、本当にホッとしました。ただ、「尿路結石は再発するかもしれない」と言われているんですよね。もう勘弁してほしいんですけど……。
いまは3カ月に1回のペースで尿検査を、半年に1回はエコーで水腎症の検査を続けています。水腎症は問題なし。尿検査では尿が酸性に偏っているので、尿をアルカリ性にするお薬を毎食後に飲んでいます。
食事については、ホウレンソウやチョコレートの取りすぎは良くないというのですが、“のど元過ぎれば”であんまり気にしてないかな(笑い)。紅茶を飲まないようにしているくらいですね。
(聞き手=中野裕子)
▽きくた・あやこ 1959年、山口県生まれ。日本大学芸術学部放送学科在学中、ラジオ関東(現・ラジオ日本)のオーディションに合格し、しゃべりのプロとしての活動をスタート。その後、ワイドショー「ルックルックこんにちは」(日本テレビ系)、「モーニングEye」(TBS系)「ジャスト」(同)などで主にグルメリポーターとして活躍。現在は「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日系)などに出演している。