米ぬかパワーに注目 「ぬか床」は「栄養素強化工場」だ
最近「米ぬか」が注目されている。実際に「食べる米ぬか」という商品も発売されている。
米ぬかは、ひと言でいえば、玄米を白米にするときにそぎ落とされる部分なのだが、この部分には栄養価の高い胚芽が含まれており、同量の白米に比べて食物繊維はもちろん、タンパク質、カルシウムなどの栄養素がきわめて豊富だ。とはいっても、主食として食するのは難しい。
この米ぬかパワーを摂取するために最適なのが「ぬか漬け」だ。いわゆる「ぬか床」は米ぬかに塩と水を加えて作るが、そこに野菜を漬けることで野菜についた乳酸菌などが加わって発酵が始まる。そして、発酵によって、野菜のタンパク質がアミノ酸に分解されたり、新しく酵素やビタミン類などの栄養素が産生されたりする。
ぬか漬けの代表格であるキュウリを例にとってみよう。「日本食品標準成分表」によれば、ぬか漬けのキュウリは生に比べて、カルシウムこそ0・81倍に減少するものの、食物繊維は1・4倍、カリウムは3・1倍、マグネシウム3・2倍含有量が増加する。さらにビタミンB1に至っては8・7倍も増加する。カブでもほぼ同様の変化が生まれる。