注射で「アトピー性皮膚炎」を治療する時代がやって来た
■生まれ変わったようにモチ肌になる人も
「問題点としては、根本治療ではないので、打ち続けなくてはならないのではないかという指摘があり、また1本の薬価が約6・7万円(保険適用で3割負担)と高額です。注射ですので痛みもあります。しかし、少数ではあるものの2~3年の使用で寛解に至り、治療なしでも炎症やかゆみがない状態を保てている人がいます。皮膚の質感が半年から1年でかなり変わり、生まれ変わったようにモチ肌になる人もいます」
「一度でいいからきれいな肌になりたい」と話す人もいるという。
石氏医師が着目するのは、今後、アトピー性皮膚炎に対するさまざまなタイプの注射薬が出てくることだ。
「かゆみが生じるメカニズムが解明され、難治性だったヒスタミン以外の経路のかゆみが対処できるようになってきたのです。さまざまな注射薬が登場すれば、治療選択肢が増えます」
さらに、現在「効き目がよくない」と感じている治療法についても、薬の使用量を見直したり、漢方薬を追加したり、衣類の素材を替えたり、汗をかいたらすぐに対処するなどで、症状が軽減する可能性があると指摘する。
いずれにしろ、アトピー性皮膚炎治療に力を入れている医療機関を一度受診すべきだ。