何をしたくて何をしたくないか…医療スタッフに言葉で伝える
とはいえ、在宅医療が初めての方がほとんどですから、「希望する在宅医療と言われても……」と戸惑う方もいるでしょう。そこで確認すべきいくつかのポイントを挙げたいと思います。
まずは、患者さんの容体が急変した場合についてです。患者さんの中には症状が急変したことに不安を抱き、一種のパニック状態になって自ら入院してしまう方もいます。これは、冒頭で述べた「患者さんと医師側との間での治療の方向性に関するすり合わせ」の不足が原因だと言えるものでしょう。
また、よくあるのが、離れて住む家族が駆けつけて救急車を呼んでしまい、希望していた自宅ではなく、搬送先の病院で最期を迎えるケースです。患者さんは在宅医療について理解していたけれど、離れて住む家族や見守る親戚はそうでなかったことが原因です。
こういったケースでは、患者さんが希望している内容について、後から「それはよくないんじゃないか?」などと口を挟まれ、患者さんがもともと望んでいたものとは違う形の在宅医療になる可能性もあります。