著者のコラム一覧
松生恒夫医学博士

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

玄米を炊くときジョンの水の測り方は「日本流」だった!

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 ジョンは棚から鍋を取り出し、そこに手で何つかみかの玄米を入れます。「さて、これからが大事なんだ!」と言いながら、米を洗い、手を米の上に置きながら水の量を調整してみせたそうです。「手の甲が水で覆われるまで水を注ぐんだ、ほら」と……。それは恐らくヨーコに教わったのでしょう。米を炊くときの日本の伝統的な方法です。そしてジョンは続けます。「グツグツと煮て水分が蒸発したら出来上がり。だいたい45分。玄米は精製した白米よりもずっと時間がかかるんだ」と……。

 もしかすると日本人男性で、こんな方法でご飯を炊ける人は少数派なのではないでしょうか。さらにクラウスによれば、オーブンを開け、焼きたてでおいしそうな匂いのするパンを木の板の上に置いたそうです。そのパンも精製していない全粒粉でこしらえたパンだったに違いありません。

 ジョンが主夫として子育てに励み、自分のキッチンで玄米を炊いたり、パンを焼いたりする日々は約5年間続きました。

 さて、今でこそ精製していない玄米は、食物繊維やビタミンが豊富であることなどから、健康に良い食材として認知されていますが、1975年から80年当時、玄米の栄養価値についての認知度は高くはありませんでした。

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