考えれば考えるほど人のための行動を取れなくなるのはなぜ?
その結果、利己的、つまり自分の利益を優先する傾向が強い人は、背外側前頭前野(考える脳)が、扁桃体(本能の脳)より大きいことが分かりました。半面、協力をいとわない利他的な人は、扁桃体の方が大きく、活発化していたといいます。本能的かつあれこれ思考を張りめぐらさない人ほど、協力的な人だったというわけです。
「ノーと言えない」「お願いするのが苦手」という方は、押しに弱い性格を弱点と考えるのではなく、利他的、協力的、つまり“武器”として考えてみてください。いざというとき協力できる、人のためを考えられる能力の持ち主なのです。
そして、仕事を押し付けてくる人をよく観察してみるように。普段から自分だけではなく他の人に対しても協力的でないのであれば、何事も損得勘定で考えてしまう傾向の強い、自分のことしか考えない人……という可能性大。そんな人に、協力的なあなたがあれこれ考え、無駄に協力するのはもったいない。協力傾向が強い人は、本能的に行動する扁桃体が発達しているのですから、心の底から「無理です」と伝えれば、大きな効力を発揮するかもしれませんよ。