著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

プロテインがインスリン抵抗性と高血糖を改善 研究で証明

公開日: 更新日:

 発表したのは、東北大学未来科学技術共同研究センターの野々垣勝則教授ら。肝臓と小腸で発現しているホルモン様因子であるFGF21は、肥満や2型糖尿病の人では血中濃度が増加することが知られていましたが、野々垣教授らは、高脂肪食をマウスに与えると、肥満や糖尿病になる前に、早期からホルモンFGF21の血中濃度が増加することを証明しました。

■別の研究では食欲増進ホルモン分泌を抑制

 また、主に腸から分泌されるホルモン、セロトニンを遺伝子工学的に抑制させたマウスでは、肝臓からのFGF21の分泌が抑制され血中濃度が低下することも確認。さらに高脂肪食とともにホエイプロテインをマウスに投与すると、セロトニンとFGF21の分泌が抑制され、インスリン抵抗性と高血糖が改善されるとの結果でした。つまり、ホエイプロテインは高脂肪食による2型糖尿病の発症を予防することが期待できる。

 この研究の前には、米カリフォルニア大学が「2型糖尿病患者が乳製品からホエイプロテインを摂取すると、食後の血糖値の上昇を抑えられる」という研究結果を発表しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」