視界の中に砂嵐のようなちらつきがあって集中できない…
【Q】20歳の男子学生です。小学生のころから、いつも視界の中に砂嵐のような“ちらつき”があって勉強に集中できません。最近、「ビジュアルスノウ症候群」とか「視界砂嵐症候群」と呼ばれる病気を知りました。診断方法や治療法を教えてください。
【A】同様の訴えで来院される患者さんがおられます。「ビジュアルスノウ症候群」とは、患者さんが見ている風景が、調整が不十分な昔のアナログテレビの画面と同じ「雪景色」のように見えることから付けられた名称です。約1000人を対象とした英国でのアンケート調査では、その頻度は2~4%と稀なものではありませんでした。
この疾患は従来、片頭痛に合併することが多いとされていましたが、1995年以降、本格的に研究されてその概念が確立されつつある中で、必ずしも片頭痛が伴うわけではないことがわかってきました。しかも、ほとんどの患者は眼科的欠陥を伴いません。ただし、その症状は継続的であり、何年にもわたって持続する可能性があります。普通はあまり進行しませんが、子供の時から症状があったという人が患者の40%もいます。残念ながら新しい疾患であり、まだ診断法や治療法は確立していません。