著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

“ノー残業”なのに質の高い医療を多くの患者にできる理由

公開日: 更新日:

 いま政府が推進する働き方改革のもと、医療従事者の労働環境も大きく見直されようとしています。一般企業ではすでに始まっている時間外労働の上限規制が、2024年4月から医師にも厳格に適用されることとなり、勤務医の時間外労働時間は原則、年間960時間までとなります。

 多くの医療機関ではこの医師の労働時間の上限規制に対してどう対策を取ろうか、今から悩ましい状況となっています。というのもこれまでの日本の医療は、医師の長時間労働により支えられてきたから。この場合、必ずしも医師が患者さんやそのご家族と多くの時間を割いて関わっているから……というわけでなく、ほかの業務に時間を取られて診察時間が短縮され、長時間労働なのに患者さんやご家族とコミュニケーションを取る時間が十分に取れない、となっていました。

 では、在宅医療の現場ではどうでしょうか? 当院の場合、9~18時の勤務時間内で、医師はきっちり仕事を終えています。しかし、患者さんは毎日12人程度、多い時は16人を診察することもあります。

 だからといって玄関先で処方箋を渡して「はい終わり、お大事に」なんてことはなく、必ず部屋に伺い、患者さんやご家族とお話をし、診察、処置や投薬、不安や疑問の解消に努めます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…