脳<上>脳を活性化させる朝の起床と入浴の方法 廃用性委縮を防ぐ
体は使っていないと、使わない部位の働きが衰えてしまう。これを「廃用性萎縮」という。
たとえば、脚を骨折してベッドや車イスでの生活を長く続けていると、骨折が治った後も、うまく歩くことができなくなる。それでも、筋肉量の多い若い人の場合には、リハビリをすれば以前と同じように歩けるようになるが、高齢者の場合にはリハビリをしても再び歩くことができず、そのまま寝たきりになるケースも少なくない。
これと同じことが脳にも起こる。日本精神神経学会指導医で「保坂サイコオンコロジー・クリニック」(東京都中央区)の保坂隆院長が言う。
「脳には『ニューロン』と呼ばれる神経細胞があり、無数のネットワークとして張り巡らされています。ニューロンは学習や記憶と密接な関係があり、体の筋肉と同じように使用頻度が少ないと衰えてしまいます。脳は70歳を越えても鍛えることができますが、使わなければ20代、30代でも衰え始めます。ダラダラとテレビやスマホを見ているだけで、自分で考えることを放棄すれば、脳はアッという間にサビついてしまうのです」