血液がんの新たな治療法として注目「CAR-T療法」って何だ
悪性リンパ腫の中でも、「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」「急性リンパ芽球性白血病」「再発または難治性濾胞性リンパ腫」と対象疾患が決められている。3製剤で、対象疾患はやや異なる。対象疾患に該当しても、必須条件がいくつかある。さらにそれらをすべて満たしても、CAR-T療法が受けられない人もいる。
「これまでのヘビーな治療で白血球が採取できない患者さんもいますし、白血球を採取してから治療開始まで時間がかかるため、症状が急変してしまう患者さんもいます。約1年で三十数例ほどCAR-T療法を行いましたが、対象疾患に該当し必須条件を満たす患者さんで、最終的にCAR-T療法まで行き着くのは、3分の1程度という印象です」
ただし、CAR-T療法の対象となりそうな患者には早くから介入を行うなどで、「CAR-T療法の対象だが、CAR-T療法が受けられなかった」というケースは減らせていけそうだ。
駒込病院では、打つ手がなくなったリンパ腫患者が、CAR-T療法によって完全寛解したケースもある。
「しかし、CAR-T療法を魔法の治療のように捉えるのは適切ではありません。CAR-T療法の条件に合致する人は一部。その一部の人が光明を見いだせる治療です」
保険適用。ただし、薬価が3300万円以上と超高額だ。