腸<上>ガス排出を促す腸ストレッチ4つの基本型 専門医が考案
では、腸内にたまったガスの排出を促すいい方法はないのか。そこでおすすめするのが、松生院長が5万件を超える大腸内視鏡検査の施術を通して編み出した「腸ストレッチ」だ。
大腸内視鏡検査は、どこの施設でも多かれ少なかれ大腸内に空気(または二酸化炭素)を注入して、腸管を拡張しポリープやがん、炎症の有無などをくまなく観察する。そして大腸内視鏡の先端は、空気や水を注入したり吸引する装置が付いているが、どうしても空気が完全に吸引されず、大腸内に残ることがある。すると大腸内視鏡検査終了後に、腹部膨満感を訴える人がいるのだ。
そこで松生院長は15年前から大腸内視鏡検査終了後に「ネラトン」というゴムのチューブを肛門から少し挿入し、お腹を軽く圧迫してたまっていた空気をほぼ完全に抜くようにしている。そうすると検査終了後に腹部膨満感を覚えることなく、楽になって帰宅することができるという。この大腸内視鏡検査終了後のお腹のガスを抜く方法を応用したのが「腸ストレッチ」というわけだ。
「よく内科医が慢性便秘症の患者さんで腹部膨満感があるときに投与する『ガスコン』という薬がありますが、投与してもあまり効果がありません。それよりお腹が張ったときに、お腹の右側から左側へ手のひらでお腹をプッシュした方が、お腹の中のガスが抜けやすいのです。腸ストレッチは腸にたまったガスを、外部からの刺激で排出することなのです」