開発が進むコロナ治療薬 「飲み薬」だからこそ期待が大きい
モルヌピラビルだけでなく、新型コロナの経口治療薬はいくつも開発が進んでいる。同じRNAポリメラーゼ阻害薬では、ロシュ社と中外製薬が手掛ける「AT-527」の臨床試験が最終段階まで進んでいて、来年早々の申請が予定されている。
ファイザー社や塩野義製薬は、細胞内でウイルスが増殖する際に必要なタンパク質の切断を担う酵素の働きを阻害する「3CLプロテアーゼ阻害薬」と呼ばれるタイプの経口抗ウイルス薬を開発中で、いずれも臨床試験が進んでいる。
ワクチンと経口治療薬が出揃うことで、これから新型コロナは季節性インフルエンザのような感染症に近づいていく期待を持てるようになる。マスクや手洗いといった感染対策と合わせ、やっと“出口”が見えてきたといえるのではないか。