新型コロナの治療に「抗生剤」をもっと活用してはどうか

公開日: 更新日:

 オミクロン株による新型コロナウイルスの感染者が急増する中、政府の感染症対策分科会の専門家は3回目のワクチン接種や経口治療薬の供給を加速させる方針を推し進めようとしている。しかし、とても間に合いそうにないうえ、本当に適切な対策なのかどうか疑問の声も上がっている。そんな中、古くから使われている「抗生剤」が注目されているという。

 ◇  ◇  ◇

「クラリスロマイシン」というマクロライド系抗生剤がある。細菌のタンパク質合成を阻害して細菌の増殖を抑えることで抗菌作用を示す薬で、皮膚感染症、呼吸器感染症、耳鼻科感染症といった感染症に対して幅広く使われていて、ピロリ菌の除菌にも用いられている。

 抗生剤は細菌を退治したり増殖を抑える薬で、一般にウイルスに対しては効果がないとされている。しかし、マクロライド系抗生剤には、かねて新型コロナに対して有効な作用があると指摘されている。「今井病院」の血液内科部長で血液内科専門医の竹森信男氏は、以前からクラリスロマイシンの多様な効果について研究を重ねてきた。昨年8月には、マレーシアの熱帯生物医学の学会誌「Tropical Biomedicine」に、クラリスロマイシンを新型コロナウイルス感染症に対して臨床応用する提案についての論文を投稿し掲載されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し