新型コロナの治療に「抗生剤」をもっと活用してはどうか
「ギリシャ、エジプト、ブラジルなどでは、新型コロナに対してクラリスロマイシンを使った治療の臨床試験が行われ、有効性が報告されています。日本でも長崎大学が中心となってランダム化比較試験を実施中です。また、吸入ステロイド薬のシクレソニドとの併用で大きな治療効果があったという国内外での症例報告もあります」
■安価で入手しやすい
昨年12月に日本で特例承認された新型コロナの新しい経口治療薬「モルヌピラビル」は、1コース(5日間)530~700ドル(約6万~8万円)と高額で、途上国などが必要量を確保するのも難しい。
「一方、クラリスロマイシンをはじめとしたマクロライド系抗生剤は200ミリグラムで60円程度と安価なうえ、古くから世界中で使われているので入手しやすく、副作用が少ないこともわかっています。海外の治験を参考にすると、日本では200ミリグラムの錠剤を1回2錠、1日2回、7日間の服用で効果があると思われるので、使いすぎによる耐性菌の問題もそれほど過敏にならなくていいと考えます。まずは専門の医師がクラリスロマイシンによる治療を展開し、一般の医師も臨床で使用できるようになることを期待しています」