著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【夏風邪】十分な免疫を獲得していない子供が多くなっている可能性も

公開日: 更新日:

 夏に流行する感染症の原因として、「エンテロウイルス」と「アデノウイルス」という2種類のウイルスが知られています。手足口病とヘルパンギーナはエンテロウイルス属のコクサッキーウイルスが原因で発症し、アデノウイルスは咽頭結膜熱(プール熱)の原因となります。いずれも、子供がかかる「夏風邪」として有名です。

 手足口病とヘルパンギーナは未就学児の感染が多く、2~4日前後の潜伏期間を経て発症し、発熱と口の粘膜にできた水疱、喉の痛みが見られます。どちらも、感染症発生動向調査において全国約3000カ所の小児科定点医療機関が週単位での届け出を求められる5類感染症です。

 両者の違いとしてわかりやすい点は、ヘルパンギーナは「突然高熱が出る」こと、手足口病は「口だけでなく手、足、お尻などにも発疹が出る」ことで見分けられ、診断されます。

 感染者の唾液、痰、鼻水から直接、あるいは触れた手からウイルスが周囲の人の口や喉の粘膜に運ばれ、感染していきます。便の中にもウイルスは存在するので、おしめを替えるときなどに手に付着して感染を広げてしまうこともあります。また、治癒後もしばらくの間(2~4週間程度)ウイルスを排出し続けるため、注意が必要です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇