血が止まりにくいO型はフォン・ヴィレブランド因子が少ない
さて、血液型との関係です。O型ではVWFが非O型よりも少ないことが、医学の世界ではかなり以前から知られていました。個人差はありますが、非O型の半分という人も少なくありません。またVWFが少ないため、O型は第Ⅷ因子も少なくなる傾向があります。なぜO型でVWFが少ないのかは、まだよく分かっていません。
■出血管理されている手術では不利はない
とはいっても、これは病気ではありません。実際、普通の切り傷や擦り傷でO型のほうが血が止まりにくい、といったことはありません。では外科手術ではどうかというと、O型のほうが出血が多いとする研究もありますが、違いは見られないという論文もあり、評価は定まっていません。たとえば2008年に浜松医大から発表された論文によれば、同付属病院で行われた手術約1万6000例を解析したところ、出血量と血液型の有意な関係は見られなかったとしています。
ですから普通に生活している限り、また出血管理がしっかりされている手術を受ける限り、O型が不利ということはなさそうです。ただ、外傷や帝王切開などの大出血では、不利になる可能性があるので、多少は意識していたほうがいいかもしれません。