腹痛の受診は「いつから」「どこが」「どのように」を伝える
「総合診療科では診断を確定するために画像診断などを行います。しかし、画像診断は場合によっては患者さんが不利益を伴うこともあるため、検査の前に病歴の聴取などで病気の絞り込みをする検査前診断が重要です」
医師の「聞き出す力」が問われるが、患者側としては自分の身を守るためにも腹痛の状態をできる限り正確に伝えられるようにしておくといい。
急に痛みだしたのか、じわじわひどくなっているのか、どういうときに痛みがひどくなるのか、どこが痛いのか、痛みが別の場所に飛んでいくことがあるか、痛みの時間的な経過は……。持病や過去の病歴などがあればそれも伝える。後期高齢者では自分の感覚を伝えにくい人もいる。家族が日頃からメモし、共有しておくといい。
「原因不明の腹痛には急性間欠性ポルフィリン症といった希少疾患もあり、この病気では最初の症状の約8割が腹痛。腹痛で原因不明の人の中に少なからず含まれている可能性があります」
たとえばこの急性間欠性ポルフィリン症は承認された薬があるので、診断がつけば症状軽減のための治療を受けられる。重要なのは、腹痛の原因を突き止めること。特に「急な激しい腹痛」「繰り返す」に該当するなら、総合診療科へ相談を。記者のように、緊急手術とならないように。