自宅看取りでは、こんな在宅医師やケアマネジャーと関わってはいけない
前回、自宅で幸せな最期を迎えるためには、ちゃんとした在宅診療や相性の良いケアマネジャーを選ぶことが大切だが、現実にはそれが難しいことを説明した。では、理想の自宅看取りができる介護環境を整えるにはどのような心構えが必要か? 引き続き、年間200人超の自宅看取りを行う「しろひげ在宅診療所」(東京・江戸川区)の山中光茂院長に聞いた。
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「がんの終末期における在宅診療の選び方としては、『私は専門じゃないから病院で精査をしましょう』『私が着くまでに急変するとまずいから、救急搬送しましょう』というような医師がいるような医療機関はすぐに変えましょう。一見、誠実に見える言葉ですし、医師の言葉なので、家族としてはその言葉通りの行動をとってしまいかねません。その結果、医師は『家族が望んだから救急搬送した』などと言い訳をすることがあります。これなどは一見、医師としての誠実な行動に見え、家族の意向にも沿っているように思われますが、実際には家族の行動を『誘導』してしまっています」
多くの「自宅で最期を迎えたい」という患者やその家族にとっては、たとえ患者の身にいろいろな変化が起こっても「病院に行きたくない」「病院に行こうとする介護労力も大変」という思いが土台にある。だからこそ、24時間365日の専門的なサポートができる在宅診療を選んでいる。ただ、現実には多くの在宅診療所は夜間をコールセンターにしたり、週に数回しか来ないバイトドクターに診療の中心を任せたりしている。結果、看取り率が60%以下のところも少なくなく、困ったら病院に戻す選択を「誘導」している。