過剰な“コロナ恐怖”が引き起こす医療トラブル 在宅の現場でも…
むろん所属する医療従事者らが「コロナ感染を怖がるから」が理由ではない。これまでもインフルエンザが医療機関や介護施設に蔓延して、組織が機能不全になることもあった。しかし、感染して40度以上の発熱リスクがあったにせよ、過度に医療従事者や介護者らが恐れることはなかったという。
「今、医療従事者や介護従事者がコロナ感染を恐れるのは、『感染者』『濃厚接触者』というレッテルが貼られることです。長期間、医療や介護に携われなくなり、自分たちが関わることで救える命が失われることを何より恐れているのです」
■医療従事者の負担軽減が必要
その結果、在宅医療の現場でも患者への医療や介護が萎縮し、「明らかなコロナ陽性患者については緊急往診をしない」というバカげた対応になったのだという。
「現場を知らない感染症の専門家や政治評論家が、『コロナ病床を増やすべき』『病床使用率が逼迫している』と騒ぎ立てていましたが、病床使用率が高まり医療が逼迫したのは、コロナが他の病気と比べて特別重症化する疾患だからではありません。現に世界の多くの国では『ウィズコロナ』政策として、重症者以外は可能な限りすべてが通常の社会生活が送れるような対応になっています。病床が常に逼迫するという状態でもありません。1人当たりの病床が世界でも飛び抜けて多い日本で、病床利用率が異常に高まり、医療が危機的な状態になったのは、コロナを『特別な感染症』『特別な隔離疾患』とし、それに関わる医療従事者の負担を大きくしているからです」