3世帯住宅に住む90歳夫婦 夫は要支援、妻は要介護の状態で…
「あら、私もT大学!」(奥さま)
「奇遇ですね」(私)
若いころの思い出話をきっかけに、緊張が解けて一気にリラックスされたご様子の奥さま。
「数年前から脊柱管狭窄症があります。いっときは痛み止めを飲んでたんですけど、今は飲んでいないですね。便秘もあって今飲んでいるのは市販の下剤です」(娘)
「(便は)硬い?」(私)
「硬くはないです。でも出るまでが大変で。もし頂けるのなら薬を頂きたいです。あと認知症も」(娘)
「最近採血していますか?」(私)
「していないですね」(娘)
「ではやってみましょう」(私)
まずは患者さんの日常をどうすれば取り戻すことができるのかを考えながら、在宅医療をスタートさせる。
そしてそれを新たにご自分の病気との向き合い方を考えるきっかけにしていただく。そんな患者さんにとって在宅医療の果たす役割は大きいと考えます。