めまい、耳鳴り、不眠…長年の頭痛が招く「脳過敏症候群」
脳過敏症候群は、発症して早い時期であれば、投薬による治療が可能。脳神経の興奮を治めるために、その人の症状や脳波をチェックし、大脳の興奮度に応じて薬を処方します。
薬は、片頭痛に予防効果を示す抗てんかん薬や抗うつ剤などが有効です。といっても、長きにわたり興奮状態にあった脳ですから、そう簡単には鎮まりません。
目安として、3カ月から半年以上はかかると考えていただきたい。焦ることなく、きちんと決められた用量の薬を飲む。それで不快な症状が改善されることがあるのです。
QOL(生活の質)の向上のためにも、思い当たる症状がある方は、一度頭痛専門医を訪ねていただきたいと思います。
前述のように、脳過敏症候群は慢性頭痛がありながらも長年専門的な検査をせず、市販の鎮痛剤でごまかし続けたり我慢してきた人が発症する疾患です。発症するのは40~60歳代後半に多い傾向がある。そういった状況を知り、「脳過敏症候群は片頭痛の高齢者版ですね」とおっしゃった患者さんがいらっしゃいましたが、まさにその通り。
次回は脳過敏症候群に当てはまるかどうかのチェック項目や、そのメカニズムについてもう少しお話しします。